2022/08/08 脚本

○北浜駅前・夕方

 樹木を囲んだ石に座る、しらぬい。

 しらぬい、スマホで近くの飲食店を探している。

しらぬいのN「ラーメンは結構食べたしな、他のがいいな」

 と、「北極星 北浜店」が目につく。

しらぬいのN「オムライス発祥の店か。行ってみるか」

 しらぬい、マップ通りに道を行き、左の角を曲がる。

 すると、蕎麦屋が見える。

しらぬいのN「なんか雰囲気良さそうなのあるやん……。蕎麦見たら蕎麦の気分になってしまった、どうしてくれる。でも高そうだな。まぁいい、今日はここにしよう」

 しらぬい、入店する。

店員「いらっしゃいませ、お一人ですか?」

しらぬい「はい、一人です」

 しらぬい、店員に連れられ、カウンターへ行く。

 その際、辺りを見回す。

 清潔な和の雰囲気。

しらぬいのN「随分丁寧な場所だな」

店員「こちらのカウンターの前か奥お好きな方へどうぞ」

 しらぬい、奥の方へ座る。

 辺りを見回すと、スーツ姿の客たちが食べたり喋ったりしている。

 しらぬいのN「大学生が来るような場所ではなさそうだな。そりゃそうか、サラリーマンの街だし」

 メニュー表を見る。税込千円超えのメニューが並んでいる。

しらぬいのN「結構なとこ来ちゃったな」

 厨房からは天ぷらを揚げる音。

しらぬいのN「音でそそりに来るんだから、ずるいぜ、揚げ物は。でも頼んじゃうと値段がアレなので今回は無しだ」

 店員がやってきて、

店員「お冷や失礼します」

 と、店員、水を置く。

しらぬい「注文いいですか」

店員「はい」

 * * *

 注文したものを待っている、しらぬい。

 再び周りの客をちらりと見渡す。

しらぬいのN「ご飯を、食べ歩くか。色んなご飯を食べる為に、金を稼ぐか。きっと社会人になれば、ちょっと高いのも気軽に食べられるかもしれない。派遣でもするか」

 店員が来て、注文した肉そばと玉子丼が机に置かれる。

しらぬいのN「思ったより蕎麦の量が多いな……」

 しらぬい、写真を斜めから撮り、手を合わせて、

しらぬい「いただきます」

 と、箸の持つ側を左手に回し、少量の蕎麦を出汁につけ食べる。

しらぬいのN「あ、こういう感じか! 蕎麦だからもうちょっとスススッと行くと思ったけど、そうか肉の出汁だもんなこってりしてるよな」

 と、しらぬい、水を飲み、次にレンゲを持ち玉子丼を食べる。

しらぬいのN「うん、まぁ美味しいぞ。思った通りだ。でも、蕎麦のこの量と丼、時間かかっちゃうなこれは……」

 と、水を飲みながら考える。